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洋上風車システムインテグレーション共同研究講座

洋上風車の要素技術を開発・総合化し、新たな洋上風力産業を国内に作り出す原動力となります。

研究者インタビューVol.3

執筆者:
洋上風車システムインテグレーション共同研究講座 岩松 幸花特任助教(常勤)
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洋上風車システムインテグレーション共同研究講座

目次

  1. 1.先生のご専門について教えてください
  2. 2.どのような研究をされていますか?
  3. 3.この道に進むことになったきっかけを教えてください
  4. 4.共同研究講座・協働研究所の利点
  5. 5.企業が大学内で研究することの意義
  6. 6.この研究で難しいことは?また、研究が進まない時にはどうやって乗り越えますか?
  7. 7.人々に伝えたいこと、メッセージ

先生のご専門について教えてください

私の専門は船舶・海洋工学です。あまり聞きなれない言葉だと思いますが,船舶・海洋工学とは,船舶関連はもちろん,海洋構造物や海洋空間利用,海洋調査機器などを対象とした学問です。出身の専攻名ですと,学部・大学院修士課程では海洋建築工学,大学院博士課程では海洋システム工学になります。これまで,浮体式潮流発電や浮体式風力発電を対象として,風波中における力学モデルの構築や縮尺模型を用いた水槽試験を行ってきました。

どのような研究をされていますか?

洋上風力には,数万点の部品,風車や基礎構造の設計・建造,完成後のO&M,電力輸送など,様々な技術が必要です。洋上風車システムインテグレーション共同研究講座は,これらの要素技術をインテグレーションし洋上風力産業の発展を促進するために2023年3月に創設されました。今後は,大規模洋上ウィンドファーム構想に向けて,洋上風力産業に関わる技術の統合化及び開発に取り組んでまいります。

この道に進むことになったきっかけを教えてください

大学生のときに,福島浮体式洋上ウィンドファーム研究事業のニュース記事を読んで,海洋再生可能エネルギーに興味を持ったことが今に繋がる一番のきっかけです。当時は海洋建築工学を学んでおり,卒業研究と修士論文では,垂直軸水車を搭載した浮体式潮流発電の浮体運動について研究していました。修士課程修了後は,エンジニアリング会社に就職し,洋上風力の基礎構造設計に携わっていました。その後,仕事をしながら博士号の必要性を感じ,博士課程に進学しています。博士課程から船舶海洋工学に関する研究室に所属し,垂直軸風車を複数機搭載した浮体式風車の研究をしていました。博士号を取得するタイミングで,現在所属している共同研究講座が創設されることを知り,現在に至ります。

共同研究講座・協働研究所の利点

共同研究講座の利点は,大阪大学工学研究科の他に幅広い業種の企業や関連研究所と協力し,技術課題に向けた議論をすることができる点です。また,本共同研究講座は,地球総合工学専攻産学官共創コースに参画しています。大学における研究生活を通じて,企業の研究活動に参加できることは,人材育成や研究促進の観点からも企業と学生の双方にメリットがある取り組みだと思います。

企業が大学内で研究することの意義

大学というオープンな場所で研究をすることで産学連携を図り,知識や情報を集約することが可能です。本共同研究講座における連携を作り出す1つの方法として,洋上風力産業に関連する方々を対象とした洋上風力勉強会があります。勉強会では,様々な視点で洋上風力に携わっている方にお集まりいただき,課題に関する議論及び情報共有をしながら,ネットワークを構築しています。これにより,大学と企業の繋がりに加えて,企業間の繋がりができるため,新たな革新的技術の誕生が期待できると思います。

この研究で難しいことは?また、研究が進まない時にはどうやって乗り越えますか?

洋上風力に関する研究は,そのスケールの大きさ故に,経済性や実現可能性を求められ,本当に実現できるのか,難しいのではないかと言われています。今すぐには実現できない,難しい,だからこそ多くの研究者・技術者が考えていく必要があります。これまでの研究生活の中でも,研究がうまくいかないことは何度もありました。そのたびに,私は周囲の方々とコミュニケーションを取ることを意識しています。会話をすることで,自分で何が理解できていないのか,何が必要なのか,頭の中で整理することができ,ふとした瞬間にアイデアが降ってくることもあります。共同研究講座には,様々な業種の方と交流する機会があるので,幅広く多くの知見をいただいています。

人々に伝えたいこと、メッセージ

洋上風車システムインテグレーション共同研究講座は新しい研究室です。研究テーマは幅広く取りあげ,”この指止まれ!”の精神で多くの方々と研究課題に向き合います。本共同研究講座は,吹田キャンパス テクノアライアンス棟9階A908にありますので,気軽にお訪ねください。 これから研究者や理系を目指す次世代の方々には,自分の”好き”という気持ちを大切にしていただきたいです。私は”海が好きだから海に関わることで何かやりたい”という気持ちを抱きながら,これまで取り組んできました。是非皆さんの”好き”を大切にしながら,将来に向かって進んでいただきたいと思います。そして,もし,その中に”洋上風力”や”海洋工学”というキーワードがあったら,是非研究室にお越しください。皆さんと考えながら一緒に成長していけたら嬉しいです

右から岩松特任助教(常勤)、飯島教授、柴田特任教授(常勤)、前田秘書

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洋上風車システムインテグレーション共同研究講座

洋上風車の要素技術を開発・総合化し、新たな洋上風力産業を国内に作り出す原動力となります。

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