工学研究科の窓 Vol. 6 OCEANSが造船業の素晴らしい未来を見据える講演会開催

◆OCEANSが造船業の素晴らしい未来を見据える講演会開催
工学研究科の先進海事システムデザイン共同研究講座「OCEANS」が4月17日、特別講演会「日本造船業界のリーダーが見据える未来」を吹田キャンパス・MOホールで開催。トップ企業の経営トップ2人が講師となって、長い不況の時期を乗り越えて造船業界が日本経済の基幹となりうる近未来を解説し、学生たちも積極的に質問するなど、熱い議論が繰り広げられました。
まず、主催者側の牧敦生教授(地球総合工学専攻/船舶工学講座)が開会あいさつで「かつて半導体は日本製が当たり前で、それ以上に日本の造船が世界一というのは不動でした。ところが日本はモノを作れなくなって、造船業界も厳しい時期を長く過ごしてきました。しかし下請けも含めた大きな重層構造を今立て直さないと、二度と復活できなくなる。今こそそのチャンスであり、今日の講演会でそれを探っていただきたい」と呼びかけました。
まず檜垣幸人・今治造船社長が「造船業界の現在と未来」と題し、「島国の日本は、モノの99.6%を船で運んでいます。船がなければ生活できない。しかも船は、環境にとても優しい輸送手段なんです」と語り始めました。今日、造船規模では韓国、中国に水をあけられて3位に甘んじていますが、「テクノロジーにおいては勝てるゲームチェンジを狙えます」と展望を示しました。そして、米国の造船重視政策を背に、日本政府も積極的に動き出し、2025年6月に「我が国造船業再生のための緊急提言」が、同12月に「造船業再生に向けたロードマップ」が発表され、10年後に1800万総㌧まで倍増する目標が設定されるという好機の環境を説明しました。

続いて廣瀬崇・ジャパンマリンユナイテッド(JMU)社長が「これから求められる船の技術と大学への期待」と題し、DXの必要性を強調。そこで「昨年発足した阪大OCEANSが、AI、システムズエンジニアリングによる設計、建造を高度化させる機能を発揮できる絶好のチャンスになります」と道筋を示しました。現在は重油燃料の輸送が中心ですが、CO2削減の途中段階でメタノール、LNG燃料、そして最終的にCO2排出量を実質ゼロにできるアンモニア、水素燃料のいずれの輸送にも対応できる船を造る技術力にも自信を見せました。また、洋上風力の利用、人材不足対応としての船の無人化なども挙げました。
両社長が強調したのは、「技術力向上と多角的な人材確保が不可欠」ということでした。造船工学のみならず、材料力学、機械工学、電気電子工学や化学系の知識、ロボット工学やAIなど幅広い領域の学生を必要としていると、ラブコールを送っていました。また、会場の学生からの質問にも気さくにこたえ、「頑張った人が報われるような給与体系を築いています」「(ゴルフ部所属学生に)ゴルフは人付き合いにとてもいいスポーツです」などと笑顔で回答していました。 (社会連携室・嶋谷泰典)


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