工学研究科の窓 研究探訪 Vol. 10
「Q-1」南陽高生が工学研究科見学

◆「Q-1」出演の南陽高生たち、 工学研究科の3研究室で見学勉強
朝日放送(ABC)が毎年放送している特集番組「Q-1 知の甲子園~世界を変える9分間~」のファイナルに出場し、 阪大エクスプローラー賞(探求賞)を受賞した京都府立南陽高校の生徒6人、 教員1人が8月28日、 本学工学研究科の3研究室を訪れて、 さまざまな研究実績、 機材などの説明を受けながら、 学びを広げました。
全国の高校生たちが自身の研究成果を発表して競うこの番組で、ファイナルには南陽高とともに東京、 群馬の計3校が出場し、 その模様は9月27日、 全国放送されました。
南陽高は「地元の木津川流域で過去に豪雨災害に見舞われましたが、 現在公表されているハザードマップではその被害領域をカバーしていない」と課題を見出しました。 過去のデータやフィールドワーク等から本流の木津川だけでなく支流河川も考慮した真のハザードマップを作成するために、 3Dプリンターで地形図を作成して過去の豪雨データから氾濫水量を計算して、 地形図に流すことで氾濫領域を推定したのでした。
◆大気環境研究の嶋寺教授が質疑応答スペシャリストとして出演
この番組で、 大気環境の解析を研究する工学研究科の嶋寺光教授が、 質疑応答スペシャリストとして出演。南陽高に対しては「自分の高校のみでなく、 自治体や市民とともに活動して課題解決に貢献している。 大学の研究でもここまでやりきれない」などと評価し、 いくつかの質問を鋭く突きました。
3校の発表を受けて審査を行い、 「部屋の中で行う研究が多い中、 南陽高はフィールドワークに徹している」として、 田中敏宏・阪大理事・副学長から阪大エクスプローラー賞を授与されました。

南陽高の7人は、 受賞の副賞として阪大見学に招待されました。まず、 「環境システム学講座」の嶋寺研究室を訪れて、さまざまな機材を見学しながら嶋寺教授から「植物からどれくらいの物質が出ているか」「植物の影響で大気環境がどれほど変わっているか」などの測定実績を示してもらい、 気候変動に伴う豪雨の変化シミュレーションなども体験しました。生徒たちは「確実性を高めるためにどんな対応をしているのですか」などと質問を投げかけたほか、 「気圧配置も、 環境汚染の影響を受けていることなど、たくさんのことを学べました」と感想を語っていました。


◆都市デザイン・木多研、 3Dプリント・中野研でも学び、 喜び
続いて、 「建築・都市デザイン学講座」の木多道宏研究室を訪れ、 木多教授からミニレクチャーを受けました。木多研の取り組みは「過去の人々の記憶や、 都市・地域形成の履歴を踏まえた上で、災害対策や事前復興計画を検討する」というアプローチをとっていることを解説してもらいました。「生徒たちの調査と木多研究室の研究・まちづくりが同じアプローチである」ことを知らされ、大変喜んでいました。
「材料機能化プロセス工学講座」中野貴由研究室では、 3Dプリント(3DP)技術の最先端研究開発拠点である3DPTec統合センターを訪問。 趙研准教授など3人から、 金属の3DP技術について「どんな金属も造形でき、 硬さなどの特性も制御でき、 多分野で革新を起こすことができる」との説明を受けました。2mを超える大型造形装置での造形作業、東京スカイツリー©の模型、 医療用インプラント、 航空エンジン部品などに目を輝かせました。生徒たちは「自分なら最新の3DP技術を使ってどのように世界を変えるだろう」と夢を膨らませ、試作品・非売品としての3DPワニ博士をプレゼントされ、感激の様子でした。
田中理事・副学長も参加しての昼食懇談会では、Q-1での苦労話や参加した感想などを語り、 「3DPワニ博士を、阪大受験のお守りにします」という生徒もいました。(社会連携室・嶋谷泰典)
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